ミノキシジルは、現在もっとも広く使われている発毛成分のひとつで、外用薬や内服薬として男女を問わず薄毛治療に用いられています。
もともとは高血圧の治療薬として開発された成分で、血管拡張作用を持つことから、頭皮の血流を促進し、毛根への栄養供給を高める効果があります。さらに近年の研究では、血流改善にとどまらず、毛包幹細胞の活性化や成長因子の発現促進、毛の成長期の延長など、より直接的に毛の成長を後押しする複数のメカニズムが明らかになってきました。
このように、ミノキシジルは「血流を良くする」だけでなく「毛を生やすスイッチを一時的に入れる薬」として働きます。ただし、この効果はあくまで使用中に限られるため、治療を中断すると毛包の活動は徐々に低下し、再び脱毛が進行していきます。そのため、ミノキシジル単体では“発毛環境を維持する”ことはできても、“根本から改善する”には限界があるのが実情です。
そこで当院では、毛包の本来の機能を回復させることを目的とした再生医療由来の注入治療「ステムサップアルファ4(歯髄幹細胞培養上清液)」を併用しています。ステムサップアルファ4は、幹細胞が分泌する成長因子やサイトカインが豊富に含まれており、毛包や頭皮そのものの修復・活性化を促すことで、毛髪の土台を整え、治療効果の持続性を高めることが期待されます。ミノキシジルの効果を活かしつつ、より本質的な改善を目指すアプローチとして、組み合わせ治療をご提案しています。